健康食品 記事一覧

2010年02月12日

カルピスのトクホ「アミール」の血圧低減効果、ヨーロッパでは認められず

 エコナ問題をきっかけとなり消費者庁で健康食品の表示に関する検討会が開催中だ。関係団体からのヒアリングを終え、ようやく中身の議論が始まった4回目の会議では、アメリカとヨーロッパの海外事例が報告された。基本的にメーカーに自由な表示認めているアメリカに対して、EUでは食品のヘルスクレーム(健康強調表示)を公的機関として審査して許可する制度を開始している。4000種類以上の表示について審査中で、随時結果が公表中だが、現在ところ申請の7割が却下されている。その中には日本ではトクホとして認められている成分も含まれていることが分かった。検討会ではヨーロッパの表示制度を参考にという意見が強かったが、だとすればすでに許可されているトクホを含めて抜本的な見直しが必要になるだろう。


食品への健康強調表示4000種類を審査中のEU
日本のトクホでも却下された例も
トクホ許可後の大規模試験で効果なし
医薬品より効果があるように宣伝
市販後の追跡調査の必要性
最初期のトクホは審査が甘かった?
トクホを含めた健康食品は本当に国民に役立っているかの検証を

 花王のエコナ問題をきっかけに健康食品の制度に関する検討会が消費者庁で行なわれている(図1検討会の写真)。トクホを含めた健康食品の安全性の検証のあり方が主な議題のはずだったが、はじまってみると効能を含めた表示規制の是非が主な議題となっている。自由化を進めて効能表示も進めるべきという意見と、規制を強化すべきという意見が出ている状態が続いている。

食品への健康強調表示4000種類を審査中のEU
 2月4日に開かれた4回目の検討会では、アメリカとEU(欧州連合)の例が紹介された。注目されたのが、EUが現在進めている食品への健康強調表示(ヘルスクレーム)の規制だ。EUでは食品や食品に含まれる成分の効能にかんして科学的根拠を評価して公的機関が表示を許可するという制度を導入しようとしている。許可された表示は、サプリメントにかかわらず食品全体に表示しても良いという仕組みだ。
 
(一方アメリカでは、ダイエタリーサプリメントという制度が、基本的にサプリメントメーカーが自由に効能を表示してよいという制度になっている。自由の国にふさわしく、メーカー団体が国を訴えて勝訴し表示できる範囲を広げてきた経過がある。極端なところまで行き着いた状態で、ほとんど証拠が無いような効能でも、「国は表示を支持する科学的根拠はほとんどないと結論づけた」という但し書きをつければ表示できる。こうした表示が消費者はもちろんのことメーカーにとってもプラスになるのかはなはだ疑問なのだが・・・)

EUの健康強調表示の内容は4種類に分けられており
1)「一般に認められた科学的根拠にも続く表示」
2)「新規な科学的証拠に基づく表示」
3)「疾病リスクの低減に関する表示」(ガンなど病気になるリスクが減るという表示)
4)「子どもの発達及び健康に関する表示」(子どもの骨の成長に効果があるなど、他の効能が大人対象なのに対して子どもへの効能に特化した表示)。
 2)~4)の表示に関してはメーカーが提出したデータをもとに個別に評価され許可される仕組みなのに対して、(1)の「一般に認められた科学的評価」は、許可リストに収載されるとそれ以降は市販前の届出は必要なく自由に表示できることになる。その分科学的根拠のハードルは高そうだ。4000件以上の表示案の申請がされており、逐次評価結果が公表されている最中だ。現在のところ94件の評価結果が発表されているが、許可された例は29件と30%程度に過ぎない。その多くはビタミンやミネラルなどすでに食品の栄養素として働きが分かっているものが大半だ(図2)。一方却下された65件の成分の中には、日本でもトクホへの申請を却下されたヒアルロン酸や、他にもグルコサミン、サメ軟骨など日本でも盛んに販売されている健康食品の成分も含まれている。これらの成分は日本でも効能の表示は認められていない。ただ使用者の体験談など、あいまいな表示で販売されている。
 

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2010年01月01日

飲むヒアルロン酸に効果なし

 「40代からはじまる『乾き世代』。必要なのはうるおいを溜めるチカラ。ヒアルロン酸を食べて補う」
マヨネーズで有名なキューピーが販売しているヒアルロン酸サプリメントの宣伝文句だ。ヒアルロン酸は、乾燥肌がみずみずしくなるなどの美肌効果があるとしてコラーゲンと並び美容系サプリのナンバー2の人気商品。最近ではひざ関節への効能も加わり高齢者の間でも人気がでてきている。
しかし飲んだヒアルロン酸は本当に皮膚や関節に届き効果をだしているのだろうか?
 キューピーが2003年に「ヒアロモイスチャーS」という商品に「お肌の乾燥が気になる方へ」という表示を求めて特定保健用食品(トクホ)の申請を行なったが、2008年11月に不許可になってしまった。審議を行なった厚生労働省の調査会の議事録には、以下のような記述が残されている。
「体内動態が不明確であること、有効性が認められないこと、健康の維持増進に寄与することが期待できそうにないこと等の指摘がなされ、特定保健用食品として認められないこととされた」
 調査会でどのような審議がなされたのか、委員であった城西大学薬学部の和田政裕教授に話を聞いた。
「口から摂取したヒアルロン酸が体内に吸収されて皮膚まで届くということが証明できていないことが不許可になった大きな要因です。メーカーは効果があるというデータも出してきましたが、解釈の仕方によっては確実に効いているとは言えない内容でした。現在の所生物学的にはヒアルロン酸のような高分子のものが吸収されて皮膚まで到達することはありえないと考えられています。その点が証明されない限り許可はおりません。作用メカニズムが不明なものを許可してしまうと何が効いているか分からなくなりますから」
 ヒアルロン酸サプリの中には体に吸収されやすいように低分子化したと宣伝する商品も多い。和田教授は、「低分子にすれば皮膚に届くということが科学的に証明されるのであればトクホに認められるので申請すべきだと思いますね」と話す。
同様の問題点は安全性の評価を行なった食品安全委員会の調査会の審議でも指摘されていた。調査会の委員であった日本大学医学部の松井輝明医師は言う。

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2009年09月27日

花王の健康エコナ販売自粛も、期待はずれの消費者庁トクホ取り消しできず

ようやく花王がエコナの一時的販売自粛・出荷停止を発表した。紙面でも何度か取り上げてきているので読者の方には驚きは少ないだろうが、一般には、健康が売り物のトクホのイメージと「発がん」とのあまりのギャップにショックを受けた人も多く、花王や消費者庁への問い合わせは殺到しているという。

 エコナとは「体に脂肪がつきにくい」という効能を国が認めて特定保健用食品(トクホ)として販売されている食用油だ。エコナの安全性の問題は実は2つある。一つは主成分であるジアシルグリセロールに発がん促進作用の疑いがあるという点。

2003年にエコナマヨネーズタイプの審議の時に問題になったが、一応許可をあたえ念のため動物実験を行うという処理がされた。その後05年にその念のための確認実験で、舌ガン促進の疑いが示唆されたため、食品安全委員会の専門調査会で審議が開始された。さらに追加の動物実験に時間がかかり、今年ようやく審議が再開されたが、実験結果の解釈をめぐり、委員の間で意見が分かれ、紛糾している状態だ。

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2008年06月19日

インチキのガン治療製品、FDAが販売中止を警告 アメリカ

鮫の軟骨、アガリクス、レイシ、ハーブティーなどなど。

ガンに効くといって販売している23社に対して、FDAが警告書を発行した。

「これらの商品のクレームは、承認されたものではなく、信頼できるものでもない。中には安全性に問題のあるものも含まれている」FDA執行局長のデヴィッド・エルダー氏は言う。

「消費者が、インターネットでそれらの商品を信用して購入して、より安全で効果的であることが確認されている治療の代わりに、を懸念するとFDAの新薬表示課長のマイケル・レヴィ氏。

これらの商品でサプリなどは、ガンなどへの効果の表示を無くしさえすれば、ダイエタリーサプリメントとして販売を続けることはできる。皮膚がんを防ぐクリームなどのような商品は、消え去ることになるだろう。

この動きは、FDAの違法表示キャンペーンの一環。昨年は糖尿病治療効果をうたった30社に対して警告書を発行。2件の商品差し押さえ、1件の刑事告発になった。2年間のターゲットはダイエット商品だった。

出典はここhttp://www.fda.gov/cder/news/fakecancercures.htm
国立医薬品食品衛生研究所の食品安全情報 No. 13(2008. 06.18)P28にも記事が掲載

2007年01月31日

マルチビタミンから高濃度の鉛 米

アメリカのコンシュマーラボという団体が行った調査で、21種類のマルチビタミン剤を検査したところ、半数以上に問題を発見。

最も問題なのは、女性用のマルチビタミン剤で、1日用量あたりについて15.3マイクログラムの鉛を検出。カリフォルニア州の基準の10倍だという。

また、子供用のマルチビタミン剤で、ビタミンAの量がラベルに記載された量の216%含まれていた。これは9歳児の上限値をはるかに超える量になるという。

出典)Scientific American Jan.23 2007

ビタミン剤の必要性に疑問?

心臓病、ガン、骨粗鬆症の予防のためにアメリカ人の52%は、何らかのビタミン剤を摂っているという。ほんとうに効果はあるのだろうか?

以下、ワシントンポスト紙2007年1月16日の記事の要約。

「今、現在ビタミン剤を摂っている人を止めさせる理由は無い。だが、今摂っていない人には、勧める理由も無い」アメリカ国立衛生研究所のダイエタリーサプリメント局のポール・コアテス局長は語る。

有効性に疑問であるばかりでなく、いくつかのビタミンについては、副作用の可能性も指摘されている。

たとえばビタミンA。視力や免疫力の維持に必要だといわれているが、過剰に摂ると骨粗鬆症のリスクが増加する可能性がある。またベータカロチンは体内でビタミンAに変化する物質。ベータカロチンの豊富な果物や野菜を多く摂ると肺ガン予防になるという証拠がある。

しかし喫煙者にベータカロチンのサプリメントを与えたところ、逆に肺ガンのリスクが増大したという話は、有名なところだ。

また葉酸も問題が指摘されているという。葉酸は、特に妊娠初期の胎児の二分脊椎という病気の予防に効果がある。そのためにアメリカ食品医薬品局(FDA)は、1998年から、葉酸を強化した小麦粉やパスタなどを推奨してきている。

しかし最近の研究で、老人には、葉酸の過剰摂取は、貧血のリスクを増し、また認知症などのリスクも上げるという。

出典)ワシントンポスト Jan.16,2007

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2007年01月29日

空輸農産物はオーガニックじゃない!?

「飛行機で空輸された農産物は、有機農産物とは言えない」イギリス最大の有機農産物の認証団体「Soil Association」が、有機認証の基準変更を検討していると発表した。

地球温暖化に関連してフードマイルという、農産物の輸送距離によるCO2の排出を懸念したもの。

1月26日に開催されたSoil Associationの年次総会で、「空輸で輸入された有機農産物は、有機とみとめない」という案が提出された。今後1年間かけて議論を行うという。

Soil Association理事長のパトリック・ホールデン氏は、「農産物の輸送距離を短くという世論は、大きくなってきている。我々も真剣に考慮すべきだ」と述べた。

議論は賛否両論あるという。 本来、多くの有機農産物は、近くの地域の小規模農家で生産されていた。しかし有機農産物のブームによって、大企業も市場に参入。輸入品も増えたことへの批判的意見は確かに存在する。

一方、輸送距離だけでなく、農産物の生産にかかるエネルギーも考慮すべきという反論もある。外国でこそ効率的に作れるものは、輸入した方がよいとい意見もある。

また、フェアトレードとの関連も重要という意見もある。途上国の農家が直接先進国の市場にアクセスできる権利を認めるべきということだ。

出典) Guardian Unlimited Jan.26 2007

2006年12月10日

アガリクス 肝臓障害で新論文

ガンに効くというアガリクスで、肝障害・死亡。新たな症例が報告された。

国立がんセンター東病院の向井 医師らによる報告。

ガン患者3名が肝臓障害を起こし、そのうち二人は、劇症肝炎で死亡。

3人ともアガリクスを摂取していた。一人は、アガリクスを辞めたところ、徐々に肝臓機能は回復した。しかし再度アガリクスを摂取しはじめたところ、再度肝臓機能が悪化したという。

向井医師らは、「他の要因も、完全には払拭できないが、アガリクス抽出物と肝臓への障害の間に強固な関連が疑われる」と論文の中で述べている。
また、「アガリクスを含む多くの代替医療について、科学的な臨床試験による評価が必要」と結論付けている
An Alternative Medicine, Agaricus blazei, may have Induced Severe Hepatic Dysfunction in Cancer Patients.
Mukai H, Watanabe T, Ando M, Katsumata N.
Jpn J Clin Oncol. 2006 Nov 14

2006年11月11日

魚の油を含んだ豚肉はヘルシー?

 心臓疾患や認知症の予防に効果があるといわれているオメガ3脂肪酸。人にとっては必須脂肪酸の一種で、魚の油に多く含まれる。スーパーの魚売り場でよく流れている「さかな、さかな、さかな~、頭がよくなる~」という歌で有名なEPA、DHAもオメガ3脂肪酸の一種だ。

虫の遺伝子を豚に組み込む
 このオメガ3脂肪酸を作る線虫の遺伝子をブタに組み込むことで、魚の油を含んだブタを作ることに成功したと、アメリカのピッツバーグ大学の研究チームが「ネイチャーバイオテクノロジー」誌に発表した。

 ただ、この豚肉が直ぐに食卓に出るということはなさそうだ。大豆などの植物と違い、遺伝子組み換え動物の食用利用については、アメリカ食品医薬品局(FDA)も規制を厳しくしている。そのため、当面は、このブタは、オメガ3脂肪酸の健康への影響を調べる実験動物として使われるのだという。

 しかし研究チームの1人ジン・カン博士は「将来的には食品利用の可能性を追求したい。またブタの次には鳥や牛にも挑戦したい」と食用利用への意気込みをのぞかせている。

魚油の効果は本当か?
 ただ、肝心のオメガ3脂肪酸の健康効果について疑問を呈する研究論文が、イギリスのブリティッシュメディカルジャーナルに掲載された。過去の89回におよぶヒトでの試験結果を再評価したもので、心臓病の罹患率や死亡率を、魚油を摂らない人たちと比べたが、明確な差は確認できなかった。

 逆に狭心症患者の場合、オメガ3脂肪酸を多量に摂っている人の方が、発作を起こすリスクが高くなっていた。
 英国心臓病基金のマイク・クナプトン博士は「オメガ3脂肪酸を大量にとるよりも、タバコを止めたり、適度な運動をしたり、飽和脂肪酸の少ない食品を取るといったほうがよほど心臓病予防には確実だ」といっている。