2006年11月 記事一覧

2006年11月11日

中継基地局 やっぱり危険か?

脳の働きに影響!頭痛も増加

中継基地局の健康影響に関する新たな研究が発表されました。
頭痛や手足の冷えなどの自覚症状が増加し、脳の働きにも影響が出ていました。

中継基地局を気にしない人にも症状
 中継基地局からでる電磁波の影響については、研究そのものが少ないのが現状です。研究者の間では、頭に近づけて使う携帯電話の影響も灰色なのに、桁違いに弱い中継基地局の電磁波の影響など調べられないだろうという思い込みがあるようです。

 しかし逆に一般の人たちの関心は強く、WHOも世論の関心を考慮して、とにかく調査を行なうことを勧告しています。

 これまで健康影響の可能性を指摘した疫学研究は2件だけ。しかしそれらの研究に対しては、「中継基地局が近くにある人たちが、思い込みで、ちょっとした症状でも強めに感じて報告しているだけなのでは」という批判が出されています。

 しかし、ではどうすればこのような先入観の影響を除去できるかというと結構難問です。臨床試験のように実験室で、被験者に(厳密には実験を行なう人にも)分からないようにして電磁波を浴びせたり止めたりして、自覚症状が現れるかどうかを見る方法もあります。
 しかし必ずしも頭痛などの自覚症状が、電磁波を浴びるとすぐ現れるというものではありません。慢性的な長期暴露の影響を判断する場合、臨床試験は難しいといえます。

 そこで、オーストリアのハッター博士たちは新た研究に際して三つの工夫を行ないました。一つは調査対象者への質問事項の中に「中継基地局の存在が自分の健康にどれくらい影響を与えていると思うか」という項目を入れたこと。二つ目は実際に被験者の家の中の電波強度を測定してこと。そして脳の働きを客観的に評価するテストを行なったことです。

 その結果、家の寝室の電波の強さが、0.1mW/㎡以下の人たちに比べて、0.5mW/㎡以上の人たちが、頭痛で3.06倍、手足のひえで2.57倍、集中力の欠如で2.55倍になりました。この差は中継基地局が気になるかというアンケートの結果で調整しても、なお有意な差でした。

ファイルをダウンロード


 脳の働きにも影響
 また脳の機能への影響についても、二種類の同じような文字配列を見て違いを見つけるテストで、0.5mW/㎡以上の人たちは間違いを見つける速度が速くなるという影響が出ていました。脳の反応が早くなるのなら良い影響とも感じられますが、しかし早くなった反面、解答の間違いが多くなったというので問題です。
結論として、博士は中継基地局の電磁波による健康への影響を否定することはできない。予防的措置として、中継基地局建設に際しては、近隣への暴露が最小限になるような配慮が必要と結論づけています。

魚の油を含んだ豚肉はヘルシー?

 心臓疾患や認知症の予防に効果があるといわれているオメガ3脂肪酸。人にとっては必須脂肪酸の一種で、魚の油に多く含まれる。スーパーの魚売り場でよく流れている「さかな、さかな、さかな~、頭がよくなる~」という歌で有名なEPA、DHAもオメガ3脂肪酸の一種だ。

虫の遺伝子を豚に組み込む
 このオメガ3脂肪酸を作る線虫の遺伝子をブタに組み込むことで、魚の油を含んだブタを作ることに成功したと、アメリカのピッツバーグ大学の研究チームが「ネイチャーバイオテクノロジー」誌に発表した。

 ただ、この豚肉が直ぐに食卓に出るということはなさそうだ。大豆などの植物と違い、遺伝子組み換え動物の食用利用については、アメリカ食品医薬品局(FDA)も規制を厳しくしている。そのため、当面は、このブタは、オメガ3脂肪酸の健康への影響を調べる実験動物として使われるのだという。

 しかし研究チームの1人ジン・カン博士は「将来的には食品利用の可能性を追求したい。またブタの次には鳥や牛にも挑戦したい」と食用利用への意気込みをのぞかせている。

魚油の効果は本当か?
 ただ、肝心のオメガ3脂肪酸の健康効果について疑問を呈する研究論文が、イギリスのブリティッシュメディカルジャーナルに掲載された。過去の89回におよぶヒトでの試験結果を再評価したもので、心臓病の罹患率や死亡率を、魚油を摂らない人たちと比べたが、明確な差は確認できなかった。

 逆に狭心症患者の場合、オメガ3脂肪酸を多量に摂っている人の方が、発作を起こすリスクが高くなっていた。
 英国心臓病基金のマイク・クナプトン博士は「オメガ3脂肪酸を大量にとるよりも、タバコを止めたり、適度な運動をしたり、飽和脂肪酸の少ない食品を取るといったほうがよほど心臓病予防には確実だ」といっている。

送電線 小児白血病治療にも影響

 送電線の近くに住んでいる子どもは、小児白血病にかかりやすいだけでなく、いったん病気になると治りにくく、死亡率も上がるという初めての疫学調査が発表されました。

 送電線などから発生する電磁波が小児白血病の発症率を上げるという可能性は、これまでの数多くの疫学調査で確認されてきました。 
 ただ小児白血病は、治る可能性が高いガンの筆頭に上げられています。適切に治療を行なえば70%以上が治癒可能だと指摘されています。しかし電磁波にガン促進作用があるとしたら、治療効果にも悪い影響を及ぼすのではないでしょうか?

 アメリカ、カリフォルニア州の公衆衛生研究所のフォリアート博士たちのグループが、小児白血病にかかった子どもたちの治癒率、生存率に対する電磁波の影響を、世界で初めて調査しました。

 1996年9月から2001年1月にかけて急性リンパ性白血病と診断された小児患者1672名のうち、386名の子どもたちを対象に、自宅療養中の子ども部屋の24時間の磁場のデータを入手。 その後2004年12月まで治療の経過のデータから、部屋の磁場の強さによって治癒率や生存率が変化しているかを調べました。

3ミリガウス以上で死亡率が4.53倍
 その結果、小児白血病が再発したり、別のガンが発生した件数が、1ミリガウス以下の小児患者たちに比べて、2ミリガウス未満の子どもは1.25倍、3ミリガウス未満は1.32倍、3ミリガウス以上は1.92倍と増加していました。ただこれらのデータは統計上ばらつきが大きく、偶然の可能性を否定できません(統計上有意差がない)。ファイルをダウンロード

 しかし、死亡率だけで比べてみると統計的有意になり、3ミリガウス以上の子どもは1ミリガウス以下に比べて4.53倍でした。

フォリアート博士は論文の中で「これまで病気の進展に対する影響を調べた調査は無かった。もし磁場がガン腫瘍の促進にも影響するとしたら、再発率や生存率にも現れるのではないかという仮説をたてて調査してみた」とこの調査の新しさを指摘しています。

 ただ、今回の調査では3ミリガウス以上の子どもたちの数が19人(全体の5%)と少ない点などの限界があるとも指摘。結果については再確認する必要があるとしながらも、電磁波が小児白血病の再発や死亡率に影響する可能性を裏付けるデータでだと結論付けています。

 病気中こそ、電磁波の影響については気を使う必要があるのかもしれません。子ども部屋の電磁波についても注意が必要ですが、病院の中の電磁波が気になるところです。

出典)British Journal of Cancer (2006)94(1)

 

続きを読む "送電線 小児白血病治療にも影響" »

携帯電話は第二のアスベストになるか?

 携帯電話の脳腫瘍リスクに関する各国の疫学調査の結果が、続々と公表されています。
統計上はっきりしたリスクは示されないものの、10年以上の使用では、ほとんどの調査でリスク上昇を示唆しています。

ファイルをダウンロード


長期使用者の数が少ないことが、結果がはっきりしない原因のようです。注意深く内容を判断する必要があります。

10年以上の使用でリスクが増える意味
 2006年1月26日にドイツでの疫学調査の結果が論文として発表されました。結論は、携帯電話使用者と不使用者の間に、はっきりした脳腫瘍リスクの差はないとなっています。しかし、10年以上携帯電話を使用している人と不使用者を比べると、脳腫瘍の一種である神経膠腫(注1)に関して、リスクは2.2倍になっていました。

 イギリスでの疫学調査は、2006年1月20日に出されました。ドイツと同様に全体でリスクの差は認められないという内容でしたが、10年以上の使用に対しては、1.2倍の増加が確認されました
 2004年11月に公表されたスウェーデンの疫学調査では、聴神経鞘腫瘍(注2)について、10年以上使用した場合、リスクが1.9倍になっています。さらにスウェーデンの調査では、携帯電話を通常使用した側の腫瘍に限れば、リスクは3.9倍になっています。
 これらの研究はすべて、インターフォン・プロジェクトという国際研究の一環です。WHOの下部機関である国際ガン研究所(IARC)が主導し、日本も含め世界13カ国が参加しているプロジェクトです。

 タバコやアスベストも潜伏期は10年以上
 脳腫瘍などの発ガンリスクの有無を検討する場合には、潜伏期の問題を考慮する必要があります。携帯電話によって発ガン作用が起きていたとしても、直ぐにガンが発症するわけではありません。
 アメリカの電磁波問題専門誌マイクロ・ウェーブ・ニュースでは「発ガンリスクがはっきりしているタバコやアスベストの場合でも、潜伏期間は長期間に及ぶ。どちらも、10年間くらいでの疫学調査では肺ガンや中皮腫のリスクが増えるという結果はだせない」と指摘しています。
 今後、更に携帯電話使用暦の長い人が増えてくると、疫学調査で脳腫瘍リスクがはっきりしてくる可能性があるわけです。有意差を示せるほどの統計量がないからといって、リスク上昇を示唆するデータを無視してはいけません。

 ドイツの研究のプレスリリースでも、「使用期間が長期になるほどリスクが上がるのは説得性がある。携帯電話の長期使用による脳腫瘍リスクはまだ仮説であるが、注意を払う必要がある」と指摘されています。
 
注1しんけいこうしゅ 神経細胞を支えるグリア細胞から発生する腫瘍。脳腫瘍の3割を占め、悪性の場合が多い
注2 ちょうしんけいしょうしゅ 聴覚神経の鞘から発生する腫瘍。ほぼ良性腫瘍だが、脳の他の部分を圧迫するので治療が必要。


送電線近くは住宅禁止? 英

電磁波による小児白血病リスクの上昇を重視したイギリスは、高圧送電線の周辺での新たな住宅の建築を禁止する措置を検討中。
1兆円以上の不動産価値の損失も伴うものの、イギリスは電磁波対策に本腰を入れはじめたようです。

7万5千戸の強制移転も検討
 イギリスの新聞テレグラフ紙が伝えたもので、電磁波対策を検討する政府の委員会が作成中の報告書草案のスクープです。

 委員会の議論では、既に送電線の近くにある7万5千戸の住宅を強制的に買い上げ、移転させるという案もあったといいます。しかし最終的には、既存の住宅はそのまま残すものの、新たな建築については、高圧送電線(40万ボルトと27万5千ボルト)の場合は周辺70m(230フィート)、13万2千ボルトの送電線の場合は35mの範囲で禁止するという内容になりそうです。

 また、新たな送電線の建設にあたっても、既に住宅がある場所には禁止する措置も含まれるとのこと。もしこの対策が実施されれば、送電線周辺の不動産価値の損失は総額1兆4420億円に及ぶとの試算も出されています。高圧送電線の70m以内にある2万5千戸の家屋の資産価値は1/4減少。また140m以内の5万5千戸の家屋は15%下落すると指摘されているのです。

WHOの予防原則を先取り 
 イギリスでは2004年に、送電線周辺210m以内に住む子どもたちは、小児白血病のリスクが64%上昇するという疫学調査が公表されました。

 この調査結果を受けてイギリス政府は、あらゆる利害関係者を入れた諮問委員会を設置。委員会では、保健省などの関係省庁の代表、電力業界と不動業界の代表だけでなく、小児白血病患者家族の代表や電磁波問題を告発するNPO代表なども参加しています。

 電力業界や不動産業界も合意する形で、今回の対策案がまとめられたという点が画期的ともいえます。WHOが推奨しようとしている「予防的枠組みアプローチ」を他国に先がけて実施したものと評価されます。 
 最終報告書は、6月にも公表される予定。イギリス保健省は「この委員会は、科学的な証拠をもとに、予防的措置を実施する必要性を検討したもの。その提言は、政府も重く受け止める必要がある」と指摘しています。

出典)Telegraph紙 2006年4月29日 他

ケータイ安全性 たった一匹で判断? 

総務省にデータ偽造の疑い

 携帯電話の電磁波による脳への影響の研究では、国際的な26の研究のうち、11が影響あり、15が影響なしと議論が分かれている。だがドコモ・KDDIらが広告主の主要マスコミは報じられないため、あまり知られていない。国内では総務省の委員会が海外の有力な「影響アリ」研究を検証するが、今回の情報公開請求で、たった1匹のマウスで安全性を評価し、報告書ではデータを偽造した疑いが強いことが分かった。検証を逃れるためか論文としても発表せず、これではシロの結論ありきの「やっつけ仕事」と言われても仕方がない。

--------------------------------------------------------------------------------
【Digest】
◇論文化されていない、検証不能な研究報告
◇1匹だけのデータで判断「マスコミは結論重視」
◇実験者の名川教授にインタビュー
◇頭が42℃にもなって暴れてフラフラに
◇業界代表が、委員の1/4
◇密室会議、発言者も匿名、議事録も抜粋のみ
◇携帯電話で脳の神経細胞が死滅、11の研究が「影響アリ」
◇冥王星問題と決定的に違うケータイ安全性問題

--------------------------------------------------------------------------------
◇論文化されていない、検証不能な研究報告
 総務省は1997年より、「国民の不安を解消し安全で安心な電波利用社会を構築するため」、生体電磁環境研究推進委員会というものを定期的に開催している。問題の報告書は、1999年9月2日に公表された「熱作用を及ぼさない電波の強さでは脳(血液-脳関門)に障害を与えず 」というもの。
 携帯電話の電磁波によって、脳の血管にあるバリア(血液-脳関門)が働かなくなり、血液中の有害物質が脳の中に浸透してしまう、という海外の有力な研究結果を、検証したものだ。脳に有害物質が浸透するとすれば、携帯電話を使うたびに脳が徐々に破壊されていくという可能性がでてくる。非常に重要な研究である。

 ただ報告書の内容は、旧郵政省のホームページに掲載されただけで、実験方法や結果の詳細なデータは掲載されていない。電磁波の健康への影響について本を執筆中の著者は、その研究の詳細を知りたかったので、8月3日、総務省へ電話をしてみた。

--1999年9月にホームページにでている研究結果の、詳しい内容が知りたいのですが、もっと詳しい報告書はありますか?

電波環境課ミヤヤマさん「これは、これだけじゃないかな」

--論文になっていないのでしょうか?

 「論文になっていると思います。総務省で発表するものは、論文になって査読されて、研究として認められたものしか出していないので。論文化されていると思いますけれど、確かに書いてありませんね。少し調べさせてください。担当のものから連絡させます」

 その後、7日に担当の並木さんから連絡があり、論文の出所を教えてもらった。しかしその論文を取り寄せてみたところ、これは前年度の98年度の研究報告を論文化したもので、肝心の99年度の研究結果については、書かれていなかった。

 そこで、9日に総務省に電話したところ、並木さんは休暇中で、再度、ミヤヤマさんがでた。

--並木さんから教えてもらった論文を購入して読みましたが、99年度の研究結果の詳細は載っていないのですけども。

 ミヤヤマさん「あ、そうですか。また調べさせていただけますでしょうか?ちょっと時間をいただいて、調べて植田さんへご連絡するようにします」

 その後2週間たったが一向に返事がない。

◇1匹だけのデータで判断「マスコミは結論重視」
 なぜ99年度の報告書にこだわるかというと、この報告書に関しては詳細なデータが公開されていないだけでなく、委員会の議事録にもおかしな点が指摘されているからだ。1999年6月29日開かれた第7回委員会で、この報告書案の内容が論議されている。

 研究を行なったのは、委員会のメンバーでもある東京大学大学院医学系研究科教授の名川弘一氏たちだ。議事録は匿名となっているが、以下のような質疑応答がされている。

質問「データは1匹についてのものか」

答え「何匹かについて実施したが、動物が暴れて管が抜けるなどが起き、評価に耐えうるものが一匹であったということ」

 他にも「体温の初期値にばらつきがあり、誤解をまねかないために生データは外に出す必要は無いと思う」とか「マスコミは数字にはあまり関心は持たず結論部分を重視する」といった発言が残されている。

 実はこの議事録は、非公開文書だったものを著者が情報公開請求を行なって入手したものだ。ただ開示された議事録は、各委員の発言をきちんと残したものではなく、議論の多くは省略されており、実際にどのような内容が議論されたのか検証できない、といういいかげんなものだ。

 だが、この議事録だけで判断すると、たった1匹だけのデータで結論をだし、都合の良い部分だけでまとめて都合の悪い部分は公表しないという、いい加減な報告書だという疑いが出てくる。

 もしこれが事実だとすれば、当然、論文になんかできないだろう。しかし論文にもならない中途半端な研究が、総務省(旧郵政省)のホームページで公表されて、携帯電話の安全性の証拠として使われているとしたら大問題だ。

 そこで、再度25日に総務省に連絡をした。今度は並木さんがでた。

--指摘された論文には、報告書の内容は書いていないという点は確認できましたか?

 「すいません、まだ確認中なんです」

--この研究報告は委員会の議事録でも気になる発言があるんですが、読まれました?

 「どの議事録ですか?」

--第7回のものです。(以上の問題発言を指摘)。これは本当だとすると、ホントにこの実験はきちんと行なわれたものなのか疑惑が出てきますよね。

 「なるほど、そういうとらえ方もできますね」

--細かい条件やデータが公表されているのであれば、こちらでも評価できるんですが、そこが曖昧になっていて、議事録には疑わしい発言がのこっている。疑惑をもたれても仕方が無いんじゃないでしょうか?

 「はい、確かに議事録を読む限りですね・・・。ちょっと確認してみますので・・・」

--私が疑惑を抱いたのは、むちゃな解釈ではないですよね。

 「ちょっと私からは、なんともいえないんですけれども」

--まあ、そういう議事録もあったものだから、きちんと確認する必要があると思ったんです。こういう研究というのは論文になった段階ではじめて評価されるものですからね。

 「論文にはなっていると思うんですが・・・」

--論文になるという意味は、きちんと第三者の研究者の評価を受けて認められたということですよね。

 「こちらでは、そのように査読されたものだと伺っているんですけど」

--だったら、きちんとデータが掲載されていないとおかしいですよね。

 「なぜ無いのか、ちょっと分からないんですが」

--並木さんは、その論文を読まれましたか?

 「はい、私も読ませていただきましたが、98年の研究と99年の研究をまとめたものが論文になっていると思うんですが」

--いや、でも99年の研究については書いてないから聞いているんですよ。

 「99年の研究は、98年の研究に引き続いて、ドイツのフリッツ博士という方の研究を再試験して、○か×かを確認しただけですから」

--だから重要なんですよ。この研究はフリッツ氏という他の研究を批判しているんですよ。だったら、その結果を相手が読めるようにきちんと論文として公表しないと、相手は反論できないじゃないですか」

 「そういう考え方もありますね」

--もしね、総務省のホームページに99年の報告書が載っていないのであれば、つじつまは合うんですよ。98年の報告書については、確かに論文に掲載されています。でも総務省では、年度を変えてもう一度実験を行ないましたと、そしてフリッツ氏の実験は間違いでしたと結論付けているんだけど、その他人を批判した研究自体が本当に正しいのか検証されていないということになるでしょ。

 「検証ですか?」

--だって、あなたが指摘する論文には載っていないし、委員会の議事録では、評価したのは1匹だなんて書いてあるんだから。

 「なるほど、はい、そうですね・・・。でもこの99年の研究が単独で論文になっているかは、聞いていないんですけど」

--総務省では、単独の研究として報告書を公表しているわけでしょう。だったら、きちんと検証に耐えるデータがでていないのはおかしいでしょう?

 「なるほど、はい」

--そういうことなんですよ。私の疑問点は理解してもらえましたか?

 「はい、わかりました」

--では速やかにこの点について確認してください。

 「すぐに回答できるかどうかは、まだ分からないんですよ、申し訳ないんですけど」

◇実験者の名川教授にインタビュー
 並木さんという担当者は、まだ若い人のようで98年、99年の段階では担当ではなかったので、この問題での直接の責任は彼にはない。しかし現在の著者の質問への対応によっては責任が生じるので、ぜひしっかり調べて、納得のいく返事を期待したいと思っている。

 ただ、総務省の返事を待っているだけでは、いつになったら真実が解明されるか分からないので、実際に研究を行なった名川弘一教授に聞いてみることにした。

--議事録に掲載されている「データは一匹のものか?」とありますが。

 

続きを読む "ケータイ安全性 たった一匹で判断? " »

インチキ防護グッズを直撃

 2006年2月に横浜で電磁波問題の講演会で話をしたところ、電磁波をカットすると宣伝されている商品についての質問が出ました。
 「周波数の低い送電線や家電製品から発生する磁場はカットするのは難しい」と話したところ、電磁波過敏症らしき参加者の人から

「自分は家電製品からの磁場も90%以上カットするシールド材を知っている。そのシールド材で電気マッサージ器を覆うカバーを造ることになっている」

と言われてしまいました。

その人はこのシールド材で磁場もカットすると信じ込んでいるようでした。
そこでその取り扱い店を聞いて、ホームページをみると、商品の宣伝が掲載されていました。
シールド175C という金属繊維のようなものでできたシートです。ホームページのなかには

電磁波過敏症でお困りの方
電磁波の安全の目安!
◯ 電化製品の磁場は2mG(ミリガウス)以下。
◯ 高圧送電線からの磁場は1mG以下。
家電製品生体に悪影響を与えるといわれる磁場の遮断や吸収は不可能
その対策にはこのシールド175Cがお勧め。
90%以上カットします。

と書いてあります。

そこで翌日電話をしてみました。

 --お宅の商品で175Cという商品ですが、超低周波の磁場も9割カットすると知り合いから聞いたんですが本当ですか。超低周波の磁場もカットするといって販売されているんですか?

A、えっ。あのね、インターネットにグラフが出ておりまして、電界に対する効果と磁界に対する効果を折れ線グラフにして出しています。

 --ええ、でもそのグラフは100MHzくらいまでですよね。

A えっと、そうですね。それよりも周波数がさがると、急激に落ちますね。効果が

 --カットできないということですね。

A ええ、100MHzはカットしておりますけれども、800MHzの周波数と比べると100MHzでは半分くらいに落ちてますよね。

 --100Mhzというはもう電波の領域に入っているので、もっと下の50Hzとか60Hzとかの磁場もカットするとその過敏症の方は信じていらっしゃるんですよ。

A、ほうほうほうほう。

 --お宅で紹介している商品で175Cというものですね。

A、メーカーはダイワボウ、商品名はレタックス

 --お宅のホームページをみると、電磁波過敏症でお困りの方へというのがあって、「90%以上カットします」とかいてあります。

A,それはね携帯電話の電磁波。

 --電気製品や送電線の磁場はカットしないんですよね。

A, あのね、数値は小さくなります。周波数が下がると、磁界の方は急激に落ちますね、電界の方はまだまだ残りますけれども。効果がね

 --つまり、電化製品では2mG以下がいいと書いていますが、このシールド材はそのためには役に立たないということですね。

A、まったくではないですね。

 --ということはある程度カットすると

A,う~う~、うんそうですね。

 --そのデータはありますか?
A そのデータはね、メーカーが出してくれないので、

 --データは無いのに、お宅では家電製品や送電線の磁場もこれでカットできますと言って販売されているんですか?

 --Aあのね、カットではなくてある程度和らぐということになりますね。

 --でもデータは無いんでしょ。

A,和らぐ効果は、高い周波数に比べると確かに落ちてしまうけれども、という表現になりますね

 --落ちるといいかたがあいまいで、誤解を招くのではないかと、落ちるというのはシールド効果が落ちる。つまり磁場は落ちないということですが、それをきちんと説明していますか?

 Aシールド効果が落ちるということは説明させていただいています。

 --じゃあ私があった患者さんはそれを誤解されているということですか?

A ううん。まったくゼロになるということではありませんのでね。ただうんと落ちてしまいますね。

 --また、誤解を招くような言い方ですよ。うんと落ちるのはシールドの効果のことですよね。

A シールド効果には電界に対するものと磁界に対するものがって、磁界の方が弱まる率が高いです
1MHz以下のですね、詳しい性能については、メーカーのほうに直接お尋ねいただきたいんですけど。

 --電磁波過敏症の方はかなり深刻な状態にあると思うんですよ。

A,あのですね。電磁過敏症については、実際のところどれくらいの電場磁場を浴びてどのような症状が出るかという点についてもまだはっきりと解明されてませんね。確かに周波数が下がっていくと、シールド効果は下がってくるんですが、それでもゼロにはならない。他のものと比べるとまだいいと。

 --少なくとも1人の過敏症患者さんは、お宅の商品で超低周波の磁場までカットできると誤解されているのは事実です。またお宅のホームページをみると、誤解を招くような表現で商品が宣伝されているのも事実です。公正取引委員会の優良誤認に引っかかるような表現があると思います。
そこを気をつけないと、実際の患者さんはわらをもすがる思いでいらっしゃる方が多いので、中には自覚症状がおさまるという患者さんもいらっしゃるのかもしれませんが、そうじゃない人もいるし、実際に低減していない磁場を浴び続けることになると余計に危ないんじゃないかと思うので、そこはきちんと説明しないと。90%カットってただ書いているだけじゃ不適切だと思いますよ。

A,インターネットの表現については不明瞭なところについては改めるようにしたいと思います。検討いたします。

 それから5ヶ月経過しましたが一向に改正されていません。


遺伝子組み換えで新アレルギー物質!

 インゲン豆の遺伝子をえんどう豆に組み込んだところ、無害だったタンパク質がアレルギーを起こすものに変質したという報告が発表された。
 種の壁を越えて遺伝子を組み替えることによる新たなリスクが明らかになった。


遺伝子組み換えで、無害なタンパク質がアレルゲンに
 この遺伝子組み換えインゲン豆を進めていたのはオーストラリアの英連邦科学産業研究機関。オーストラリアでは毎年栽培されるえんどう豆の30%がゾウムシの被害にあっている。一方インゲン豆には被害が起きない。糖分の消化酵素の働きを阻害するタンパク質を作っているからだ。ゾウムシがインゲン豆を食べても栄養を消化吸収することができず餓死する。その殺虫タンパク質を作る遺伝子をえんどう豆にも組み込もうというのが開発の狙いだった。

 フィールドテストの結果では、組み換ええんどう豆の99.5%に、有効性が確認された。
 安全性についても、そもそもインゲン豆に含まれるたんぱく質はヒトはマウスに対して無害であることが証明されていた。
 しかし遺伝子を組み替えたえんどう豆をマウスに与えたところ、アレルギー反応が現れてしまった。またいったんアレルギー反応が出たマウスは、卵白など他の食べ物に対してもアレルギー反応も引き起こした。

 遺伝子は同じでも、別の種類の生物に組み込んだ場合、タンパク質を作る過程で思わぬ毒性を持ったものができるかもしれないということだ。
 両方のタンパク質を詳しく調べてみると、構造に微妙な違いが見つかった。
 オーストラリアの英連邦科学産業研究機関は、開発の断念を決定した。